【映画「フリーダ」】メキシコ、情熱の女流画家の一生

こんにちは、コジです。今日は、映画「フリーダ」についてです。

これはメキシコの女流画家フリーダ・カーロの激動の人生を描いた伝記映画です。

監督:ジュリー・テイモア

製作年:2002年

製作国:アメリカ

時間:123分

フリーダ・カーロ役 サルマ・ハエック

ディエゴ・リベラ役 アルフレッド・モリーナ

写真家の石内都氏がフリーダの遺品を撮っていた

そもそも私がフリーダ・カーロに興味を持ったきっかけは、ふらっと映画館で観た「フリーダ・カーロの遺品 - 石内都、織るように」というドキュメンタリー映画でした。

本題に入る前に別の映画の紹介をして何ですが、こちらは、フリーダ・カーロの遺品を撮ってくれと依頼を受けた写真家の石内都さんのメキシコ訪問にこの映画の製作者が同行し、その一部始終をドキュメントした映画です。

一連の作業の中で石内さんの強さとフリーダの強さが交錯し、それぞれの格好いい人生が描かれていました。

後日、石内さんの写真集『フリーダ 愛と痛み』を見ましたが、ままならない身体を抱えながらも一人の女性として人生に積極的にかかわって生きたのだなということがひしひしと伝わってきました。貴重な写真集です。

映画「フリーダ」に見る、フリーダ・カーロという女性

そこで、このフリーダ・カーロという女性はどんな人生を送ったんだろうと思い、「フリーダ」を観てみたというわけです。

もともと自由奔放な少女だったフリーダは、バスの事故でパイプが腹部を貫通するという重症を負い、もう一生歩けないのではないかと思われるような重い後遺症が残ってしまいます。事故のとき一緒にいた恋人は冷たくも離れていき、親は彼女の将来を悲観するばかり。

それでも何度も手術を受け、何とか歩けるようになったフリーダは、自分で稼げるようにならなければと、絵を描いて旧知のディエゴ・リベラのところへ持っていき、才能を認められます。彼は当時多くの壁画で知られる画家になっており、メキシコの民衆のための壁画運動の中心人物でした。

フリーダは後に彼と結婚しますが、彼の奔放な女性関係に苦しめられ、フリーダ自身も不倫をしたりして結局離婚。ディエゴはフリーダの妹にまで手を出し、フリーダもディエゴの尊敬するトロツキーといい仲になってしまうということで、さすがに耐えられなくなったのでしょう。

でも、よほどの縁があったのか、やはり離れられずに1年後に復縁。それからフリーダが亡くなるまでは夫婦を続けました。互いに愛し合っていることは明らかで、妊娠を喜ぶフリーダの姿はとてもかわいらしくステキでした。残念ながらこの子は流産してしまい、二人の子供を持つことはできませんでしたが……。

後遺症による激痛に苦しみながらも自分にうそをつかず感情のままに生きたフリーダ。ブレーキなしで女性を漁りまくり、言いたいことを言って仕事もプライベートも荒波続きのディエゴ。いわゆる「ラテン系」というやつなのでしょうか、二人とも非常に激しい人生を送っています。

二人の絵にもそれはあらわれていて、特にフリーダの絵は、彼女の心の傷を率直にぶつけた辛いものが多いように思えます。そんな中でも、遺作のスイカの絵は優しくて救われました。

熱を持って生きる

周囲のことを考えず我が道を行くのは勇気の要ることです。周りの大切な人たちを傷つけるかもしれないし、自分も傷つくかもしれない。遠くから見ている分には格好いい人生に思えますが、もしそんな人が近くにいたら、近ければ近いほど振り回されて大変なことでしょう。

それでも、人生は一度きりなんですから、彼女を見習って、後悔のないように、可能な限り熱く生き切りたいものです。

何はともあれ主演のサルマ・ハエックが美しかった。フリーダ自身も美しい人だったようで、何と、眉毛がつながっているのに美人なんです。野性味を感じるのですが、同時に気高くて知性的。才能にあふれ、情熱的かつ聡明なフリーダに魅了されました。

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