「富士山フリーきっぷ」を利用した2泊3日アラフォーひとり旅

こんにちは、コジです。先日、思い立ってふらっと旅行に出かけたのですが、「富士山フリーきっぷ」が便利過ぎたので、ご紹介してみます。

JR西日本の「富士山フリーきっぷ」とは

伊豆へ行きたいなと思っていた矢先、最寄りのJR駅に置いてあった「富士山フリーきっぷ」のチラシに目がとまり、これを使ってみることに決めました。

この切符は、往復新幹線(自由席)と富士山周辺で3日間乗り放題名古屋からですと、市内含め16,260円でした。

乗り放題のフリー区間には、静岡から熱海までの間の、電車、バス、ロープウェイ、船が含まれています。

より富士山の近くへ行きたい方は、富士で乗り換えて富士宮から白糸の滝へ行ったり、沼津で乗り換えて裾野から須山へ行ったりできますし、御殿場から無料シャトルバスでアウトレットへも行けます。また、海から富士山を臨みたい方は、清水から駿河湾フェリーや清水港内ベイクルーズにも乗れます。伊豆半島のほうへも、修善寺までは行けます。

この切符を有人改札で見せるだけで、どこも簡単に通ることができました。交通系ICカードも、使えるところと使えないところがあって、初めて行く場所では戸惑ってしまいますが、一々お金を払わなくていいというのは、こういう乗り放題券の地味に便利な点だと思います。

2泊3日の一例として【私の温泉と開運の旅】

では、私がぷらっと出かけた2泊3日の旅程を、この切符の利用例の一つとしてご紹介してみたいと思います。

1日目

名古屋市内 →<新幹線>→ 三島 →<伊豆箱根鉄道>→ 修善寺 → 宿

私の場合、今回はとにかくいい温泉に入りたい!と思ったので、1日目は修善寺神代の湯に宿をとっていました。このお宿の無料送迎は12時に修善寺駅でピックアップとのことで、まず1日目の朝は、家から修善寺へ直行!

この切符を使って名古屋からこだまに乗り、三島で伊豆箱根鉄道に乗り換えて、修善寺へは12時前に着きました。

伊豆箱根鉄道、頑張っていました。たまたま私が居合わせてしまっただけなのか、アニメ的な地元のキャラクターのラッピングになっていて、多くのオタク系男子がカメラを構えて楽しんでいたので、何となく勢いに押されて写真を撮り損ねましたが……。

12時過ぎにはお宿に着き、まずは腹ごしらえ。食事どころでランチを食べることができたので、おそばをいただきました。しいたけのだしで、とても優しいお味! これは夕食も期待できそうです。

実は、私がこの宿を選んだのは、食事がよさそうだったからというのも理由の一つでした。私、もともと胃腸が弱いのか、あまりたくさん食べられないので、旅館の豪華な料理はまともに食べられないんですね。無理くり食べておなかが苦しくなり、全然快適に楽しめないというのが、一人で旅館に泊まるときの難点だったんです。でも、ここは無農薬野菜をメインにした完全玄米菜食にしてもらうことが可能だったので、安心して行くことができました。もちろん普通のお肉やお魚を使ったコースもあります。

私の場合は厳格な菜食主義でもアレルギーがあるわけでもないので、「ゆるベジ」コースにしていただきました。あまりにもボーっとし過ぎてすっかり写真を撮るのを忘れ、お料理をお見せできないのが残念ですが、実際、夕食も朝食も、おなかに優しく適量で、とてもヘルシーでした。どの料理も本当に美味しくて、体の細胞が喜んでいる感じがしました。玄米は、やはり一度にたくさん炊くと美味しいんですね~。

食事もよかったんですが、お湯もよかったですよ。このお宿は楽天トラベルの「お客様が選んだ泊まってよかった宿」で温泉部門の日本一を1年間継続した実績があるそうですが、それも納得の泉質でした。無加水、無投薬、源泉かけ流し、泉質の異なる2本の源泉を使用した美人の湯です。男女別の大浴場(内湯・露天)と、その近くに北投石ミストサウナ。それから、貸切風呂がありました。

ポイントは、この貸切風呂です。秋田の玉川温泉と台湾の北投温泉からだけ産出される北投石(ほくとうせき)という石から微量のラジウムが出ており、それが細胞を活性化させて自然治癒力を高めてくれるそうなんですが、このお宿の貸切風呂の浴槽に北投石が使われているんです。ラジウム成分が充満したお風呂をひとり占めできます。30分交代で、早い者勝ちで予約リストに名前を入れていくシステムでしたが、私は滞在中に2回入ることができました。

ちょっとお湯が熱いこともあって、5分程度しか入っていられないんですが、5分入ったら一度出て5分休み、また5分入るというような感じで、着がえも含めて30分もあれば十分でした。このお宿は、トイレも含めてすべての蛇口からミネラルウォーターが出るため、どこのお水も美味しく飲むことができました。食事どころには北投石のお水も常備してあって、これも容器を持っていけば汲むことができました。お風呂へ入っては水を飲み、十分に温泉を楽しみました。

一つ難を言うなら、でしょうか。壁も薄いんですが、隣の音はそれほど気にならなかったものの、廊下の音がすごく響きました。トイレと流しと冷蔵庫が共用なので、スタッフやお客さんが廊下を歩く機会が結構あるんですが、部屋の扉を開け閉めする音やスリッパでぱたぱたと歩く音が少し気になりました。あと、布団を敷くのがセルフでしたが、これは他人がわざわざ敷いてくれなくても全然問題ないので、むしろ私は気楽でした。

客室は全8室で、私が泊まった日は満室だったようですが、それでもお風呂は余裕満点の空きぐあい。大浴場へ行ったときなどは、スタッフも含めて誰もいなかったので、ちょっと怖いぐらいでした。でも、決して秘境の露天というような枯れ方ではなく、旅館はとても清潔でこざっぱりしており、ほかにも女性客がいることはわかっていたので、安心して過ごせました。

ご興味のある方は、「神代の湯」HPをご参照ください。

2日目

修善寺 →<伊豆箱根鉄道>→ 三島三嶋大社 →<新幹線>→ 静岡静岡市美術館

翌日、名残の朝風呂に入り、美味しい玄米粥を食べてチェックアウト。無料送迎で修善寺駅まで送っていただき、伊豆箱根鉄道で三島へ。行きはアニメ系ラッピングで気後れした伊豆箱根鉄道も、帰りはハロウィン仕様で落ち着いており、これは私も写真を撮ることができました。

三島では、駅から徒歩で伊豆の国一の宮である三嶋大社を参拝。

御祭神は、大山祇命(おおやまつみのみこと)積羽八重事代主神(つみはやえことしろぬしのかみ)で、この二柱をあわせて三嶋大明神と総称しているそうです。

ちょうど結婚式が執り行われており、同時に七五三の儀式も行われていて、何だか縁起がいいときにお参りすることができた様子。子孫繁栄、商売繁盛で、私の運も開けてくるかも!?

「1122(いい夫婦)」のオースチンでこれから新郎新婦は披露宴会場に向かわれるんでしょうかね。

それを横目に、私は横の茶屋にて「福太郎餅」をいただき一休み。こしあんと草餅が何とも美味しかったです。

富士山の湧水によってそこかしこに「水」を感じる三島の町は、散策に最適でした。三嶋大社から三島駅まで戻り、今度は新幹線で静岡へ向かいます。

静岡駅に着いたら、一気に都会に来た気分。こういう大きな駅も好きな私です。駅に近いホテルを予約してあったので、ひとまずホテルへ荷物を預けに行きました。

身軽になったら、この旅のもう一つのお楽しみでもある展覧会へ向かいます。静岡市立美術館で開催中のデンマーク・デザイン展へ。クラシックなロイヤルコペンハーゲンから現代の家具やテキスタイルまで、日本の影響もちらほら見え隠れするデンマーク・デザインを存分に楽しみました。

この美術館、入り口のところで、きちんと会場内での注意事項を読むよう案内看板を示されました。写真撮影や飲食は不可。書くものは鉛筆以外不可。消しゴムは不可。作品に触らないこと、温度が調整されているのでショールの貸し出しがあること、靴音が響く人にはスリッパの貸し出しがあること、必要以上に大きな声で話さないこと。

最近は、お客さんの気分を悪くさせないようにということなのか、どこもこういったことについて緩くなっていますが、マナーはきちんと守ったほうが、みんなが気分よく観られますもんね。ここは基本をしっかり押さえていて、久々にきちんとした美術館に来たという気がしました。

その後は、駅前あたりでウィンドーショッピングをしつつ食事をとり、ホテルへ戻って明日の計画を練りました。

3日目

静岡 →<バス>→ 日本平 →<ロープウェイ>→ 久能山東照宮 →

<ロープウェイ>→ 日本平 →<バス>→ 東静岡 →<電車>→ 清水 →

<バス>→ 三保松原入口御穂神社&三保の松原 →<バス>→ 清水 →

<電車>→ 静岡 →<新幹線>→ 名古屋市内

朝、ホテルで美味しい朝食をいただき、いざ久能山東照宮へ!

「静岡駅前」バス停からしずてつジャストラインで「日本平ロープウェイ」行きに乗ります。バスは1時間に1本ぐらいなので、時刻表のウェブページでちゃんと時間を調べてから行きましょう。乗り場自体は、さすがにとてもわかりやすい位置にありました。「日本平ロープウェイ」に着いたら、流れに任せてロープウェイで久能山へ行きます。自然景観がすごかった!

家康公に自分の開運を祈願しようと思って来たものの、いざ本殿で祈る段になったら無性に日本の将来が案じられ、ついつい「日本を平和に保ってください」と祈ってしまった私。政局がおかしい昨今、はるか昔に日本の安定を目指した人のところへ来られてよかったなと思いました。日本も世界も、本当に何とか丸く収まってほしいものです。

その後、本殿の奥の神廟へ。家康さんの遺骸が埋葬されている石造りのお墓です。

「己を責て人をせむるな。及ばざるは過ぎたるよりまされり」。心にしみます。

同じ神廟のすぐ脇にある「金の成る木」。楠の大木です。

家康公は、「金の成る木」を知っているかと家臣たちに尋ね、だれも知らなかったため、みずから筆をとって「よろず程のよ木」「志ひふか木(慈悲深き)」「志やうぢ木(正直)」という3本の木を描き、「これを常々信用すれば必ず富貴が得られよう」と言ったとか。ぐさっと心に突き刺さるお言葉。私もこれを心にとめて頑張ります。

山を上へ上へと登る大きな石段、極彩色の建物、歴史ある灯籠。街中にある神社とは違った独特の雰囲気がありました。

参拝を終えたら来た道を戻り、今度は清水へ向かいます。

清水では清水港でベイクルーズをして船から富士山を眺めようと思っていたんですが、あいにくの曇り空。富士山も見えない上に、波が高くて船酔いすると嫌なので、クルーズは却下して、清水駅からバスで三保の松原へ向かいました。

しずてつジャストライナーのバスで「三保松原入口」まで行ったら、そこから少し歩きます。この路線は割と本数がたくさんありました。

まずは、御穂神社(みほじんじゃ)でお参り。静かで立派な神社です。羽衣の松に降りた神様が、松並木(神の道)を通ってこの神社に静まっているのかなという感じ。御祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)とのことです。

そこから神の道へ足を踏み入れます。ここは右側通行。

松が延々と続くというのは、何ともすごい景色です。私の目がおかしいのか、松が龍に見える……。松の木肌がうろこみたいに見えません? 深いことはわかりませんが、龍神系の何かと関係があるのかなと思ってしまいました。

でも、この松も最近では数が減ってしまっているとか。植えたりして保全しないといけない状況のようです。ここに限らず、ほかのところでも、神社やお寺の土地がどんどん狭まっていたり、山や海や川などの自然が人間によって順番に切り崩されていたりして、これでいいのかな、取り返しのつかないことをしちゃっているんじゃないかなと思いつつも、何もできない自分が情けないばかりです。

この「羽衣の松」も、実は何代目かなんだそうです。枯れたらまた別の松が「羽衣の松」に認定されるんでしょうね。木だって枯れるんだからしようがないとはいえ、ちょっと悲しい。

そんなことを思いつつ歩いていると、ぱかっと海へ出ました。曇り空だけど感動。富士山は見えませんでしたが、一面に海が広がっていました。

海を散々満喫したら、来た道を戻り、静岡駅へ。お土産を買いつつ新幹線で家へ帰りました。

まとめ

曇り空のため富士山は行きの新幹線の中から一瞬しか見えなかったものの、いろいろなことが心にしみる、大満足の旅になりました。

旅に出ると、ふだんは忙しくて見過ごしていることを考え直したり、ふだん使っていない脳みそを使ったりして、自分を揺り動かすことができる気がします。特にひとり旅をしてみると、その効果は絶大です。

最寄り駅で見つけた「富士山フリーきっぷ」のチラシが今回の旅の軸になったわけですが、日ごろ目にするものからひらめきを得て動いてみるというのも、人生をおもしろく動かすいいチャンスになりますよね。そんなわけで、私は習い事やイベントのチラシやポスターも、なるべく意識して見るようにしています。

ざっと計算してみたところ、この「富士山フリーきっぷ」を使ったことにより、それほど動き回らなかった私の旅ですら4,000円ほどお得になりました。16,260円で購入し、1日目の名古屋(市内)から修善寺までの移動で既に8,280円ですから、その往復だけで元はとれますもんね。もっと富士周辺を移動される方は、随分お得に動けるかと思います。一々切符を買う手間も省けてすいすい動くことができ、とても快適な移動ができました。もう一度この切符を使うなら、今度は富士山の近くのほうへ行ってみたいと考えています。

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