こんにちは、コジです。先日、ついにずっと行きたいと思っていた京都の山崎に行ってきましたので、皆さんにオススメスポットをご紹介したいと思います。名古屋から京都は本当に近いので、日帰りで十分に楽しむことができますよね。
アサヒビール大山崎山荘美術館
名古屋から山崎駅へのアクセスはとても便がよく、名古屋駅から新幹線で京都駅まで行ったら、JR京都線に乗り換えて15分程度でもう到着です。
京都駅で一度改札を出てバスに乗り換えなければいけなかったり、いわゆる観光スポットに向かってしまったりすると、たとえ行った先が静かなところだとしても、たどり着くまでの間で人の波にもまれて疲れることもあるかと思います。しかし、時間的なこともあったのかもしれませんが、山崎へ向かう京都線は非常にゆったりしており、行きも帰りも混雑に遭うことはありませんでした。もちろん行った先も静かで最高にリラックスできました。
まず、アサヒビール大山崎山荘美術館へ向かいます。駅から歩いて10分程度ですが、駅前からシャトルバスも出ています。最初は歩く予定だったのですが、雨が割と降っていたし、ちょうどシャトルバスがあったので、そちらを利用しました。少し上り坂なので、高齢の方や小さなお子さん連れの方はバスを利用されたほうがいいかもしれません。
バスを降りると、入り口の門と小さなトンネルをくぐって、園内に入ります。目に飛び込んでくる緑が美しすぎる! ちょうど雨が降っていたおかげで、空はどんよりしているものの、ただでさえすばらしい庭の緑が本当に生き生きときれいに見えました。
建物も調度品もすばらしくて、目にするものすべてが一々おしゃれです。一時は老朽化のため取り壊しの危機にあったそうですが、心ある人々の思いを受け、アサヒビール株式会社が京都府、大山崎町と協力して復元整備をされ、美術館としてよみがえったとのこと。取り壊されなくてよかった!こんなパンフレットをゲット。写真が美しい。
この山荘は、そもそもニッカウヰスキーの加賀正太郎氏の別荘だったのを、親交のあったアサヒビール山本為三郎氏とのご縁もあって、アサヒビールが保存に乗り出したのだそうです。古いものを壊してしまうのは簡単だけれど、頑張って残してもらうと、後の世代にとってとても大事な財産になりますよね。本当によかった。(館内撮影禁止のため写真は絵葉書より)
「ウィリアム・モリス―デザインの軌跡」展
今回私がここを訪れたかったのは、ちょうど「ウィリアム・モリス」展をしていたからでした。私、実はウィリアム・モリスの壁紙がとても好きなんです。この建物で開催されているというところがミソで、建物としっくりし過ぎ!っていうぐらいベストマッチな展示でした。
壁紙や刺繍や染色など、本当にすばらしかったんですが、中でも目が離せなくなったのはモリスの考案した書体(フォント)です。ウィリアム・モリスがこれほど出版に執着していたとは知りませんでした。
ゴールデン体とトロイ体という2種類が紹介されていましたが、芸術的な美しさを備えつつも、奇をてらわず、よみやすいものでなければならないということで産み出されたフォントが本当に心にしみる美しさでした。
これはゴールデン体のサンプルの一つと思いますが、本になっているものを見ると、絵やら蔦の絡まった周囲の装飾やらも相まって、手元に持って眺めるだけで幸せを感じそうな本でした。
役に立たないものや、美しいと思わないものを、家に置いてはならない
モリスの心意気をひしひしと感じる、力のこもった作品を見ることができました。
安藤忠雄氏の「地中の宝石箱」
もう一つ、私がこの美術館で楽しみにしていたのが、建築家・安藤忠雄氏による「地中の宝石箱」という建物でした。(写真は絵葉書より)
ここで見るモネは確かにすばらしかった!
建物は四角と丸が大きく組み合わされていて、コンクリートとガラスに区切られながら外の豊かな緑が見え、妙な圧迫感と開放感の混在により、遠い空から飛んできた小型の宇宙船が山に突っ込んだんじゃないかといった感じがしました。
この建物を味わいつつ地上に戻り、さらに2階へ上がって常設展を見てからテラスでコーヒーをいただきました。ここからは見晴らしがすごくよくて、遠くに山が見え、近くには川が流れ、すぐ足下は一面の緑で、最高の環境でした。恐らくワインを飲む人のためにサイドメニューとしてチーズがあったので、コーヒーにKiliのクリームチーズで一服。これが意外にマッチしていて、そういえばコーヒーとチーズケーキはよく合うんだから、ただのチーズでも合わないことはないのだなと発見しました。
山崎蒸留所
さて、休憩をしたところで移動です。今度は徒歩で駅まで戻り、駅前のレストランで昼食を食べて山崎蒸留所へ向かいました。
ただ、この山崎蒸留所は見学をするのに予約が必要で、私が時間に余裕を見過ぎて15時に予約を入れたために、1時間ほど待ち時間ができてしまいました。うーむ、1時間どうしましょうね……と相談し、近くにある神社へお参りに行こうということに。20分ほど歩くと水無瀬神社なるところがあるようだということで、急遽そこへお参りに行きました。
行ってみると、水が湧き出ているところだったようで、雨の中、ひっきりなしに水を汲みに来る人がいて、そうとは知らなかった私たちはびっくり。せめてペットボトルとか持っていればよかったねと後悔しつつ、一口だけいただきました。全くくせのない、端正なお水でした。
後から知ったのですが、このお水がウイスキーをつくるのにとても重要だったとのことで、知らず知らずのうちに山崎蒸留所でウイスキーとなる水を飲みに行ったようでした。神様、ありがとう!
その後、山崎蒸留所へ行き、ウイスキー館を見学。こんなかわいいパンフレットがもらえました。
無料コースで見られるウイスキー館にも、充実した展示が繰り広がっています。
それからギフトショップをさくっと冷やかしつつ、おもむろに試飲コーナーへ。これ、本当に楽しかったので、特にウイスキーがお好きな方にはオススメです!
私たちは、まずはとにかくこの蒸留所でしか飲めないものを試そうということで、蒸留所限定のラインナップの中から、ニューポット(蒸留されたばかりの無色透明なモルトウイスキー)、山崎シェリー樽12年、山崎の3種を比べてみることにしました。
注文するカウンターのスタッフの方に飲む順番のオススメを聞いてみたところ、最初にニューポットを試し、十分に水で口を直してから、山崎、山崎12年の順がよろしいかと……とのアドバイス! そのように飲んでいくことにしました。
ぬおーっ!とにかくニューポットは全く味が違う~! アルコール度数が高くて、私はガソリンみたいな味と思いましたが、友人はグラッパに似てるという感想で、最終的にこのニューポットが一番好きかもしれないと言っていました。
山崎と山崎シェリー樽12年は、12年もたつとこんなに変わるんだな~、何でだろ~と思うお味でした。山崎はお上品で優しくて素直。12年はもっとまろやかで育ちのいいお姉さんな感じ。
この辺で結構私は酔っ払ってきておりますが、続けて、日本産とそれ以外を比べてみようということで、蒸留所限定の白州と一般のラフロイグを試すことに。同じように見えても、やっぱり色からして少しずつ違います。
ん?私は山崎より白州のほうが好きかも。(山崎へ来ておいて何ですが……汗) 山崎よりきりっとしています。そして、白州よりラフロイグのほうが好きかも……。どうやら日本産の優しく繊細なお味よりも、がつんと来るアイルランド産のもののほうが好きみたい。
そうこうしているうちに最終オーダーの時間となり、私はもう十分だったのですが、友人が極めつけに響シェリー樽17年を試飲。一口試させてもらったんですが、これが高級クラブのお味とでもいうべきか、とっても品があり、文句なしに美味しいお酒でした。こういうふだん飲まないお酒を気軽に楽しめるというのもいいなと思いました。
結局、3時に入って閉館の4時45分まで滞在。ここはついつい長居してしまう魅力的な施設です。それほどお酒が強くない私でも、酒好きの友人を誘えば、隣から一口づついろんな味を試せます。全然違っていて本当に興味深かった。ウイスキーの世界、深いっす!
どうもそのときによって試飲できる種類が変わるみたいですし、紅葉も絶対に美しいと思うので、また秋に山崎へ来ようと友人と次回の日程を約束し、楽しい日帰り旅を終えました。