最近のトレンドは「SDGs」らしい!

こんにちは、お久しぶりのコジです。皆さん、異常気象が平常となりつつある昨今、お元気に過ごしていらっしゃいますでしょうか。

コジはこの夏、割と忙しく仕事をしていたのですが、どの現場へ行っても必ず出てくるキーワードがあって、いよいよ日本人も目を覚ましたのかななどと思っておりますので、今日はちらっとそのご紹介をば。

そのトレンドキーワードは、ずばり「SDGs」です。

「全然聞いたことないよ!」、「DAIGOバリのKY語か?」と思われた方、だまされたと思って、ぜひ記憶の片隅に入れておいてください。これから世界はSDGsで回って行くぞって、私は確信しております。

SDGsってそもそも何?

DAIGOさんに限らず、ここしばらく英語の頭文字を並べた略語って本当に多いですよね。何でもかんでもこういう形にしてしまうので、初めて見たときには意味が全くわからないし、覚えにくいし、ホント困ったものです。

でも一応言わないとしようがないので言いますと、「SDGs」というのは「Sustainable Development Goals」の頭文字をとっております。小さい「s」は、目標が複数ありますよってことを強調しているわけです。

日本語でいうと「持続可能な発展目標」です。

ざっくり言ってしまえば、「今生きているすべての人たちの生活を心地よいものにしながら、未来に生きるすべての人たちも同じように心地よく生きていけるよう、世界のみんなで協力して今のイマイチな世の中を大変革させるための17個の目標」といった感じだと私は理解しています。

こんな美しい17のタイルで目標があらわされています。貧困、飢餓、健康・福祉、教育、ジェンダー平等、水、エネルギー、適切な雇用、気候変動、生態系の維持等々、この17項目で地球で起こっているあらゆる面の課題をカバーしています。普通の人が思いつくどんな問題も、この中に含まれてしまうんじゃないかって思うぐらいです。

ところで皆さん、この「Gs」を除いた「持続可能な発展(SD)」という部分は、もしかしたらこれまでにも聞いたことあるんじゃないでしょうか。

実はこれはかなり前から言われてきた言葉なんです。少なくとも愛知万博のころには既に言われていました。フリーパスを購入して頻繁に会場へ通った私としては、環境にフィーチャーしていたあの万博で、SDというのは環境改善の取り組みだと思っておりました。

でも、違うんですね。それ以降、いろいろなところで話を聞いていると、根っこにあるのは「やさしさ」みたいなもののような気がするんです。相手のこと、周りのことを考えましょうって話です。それを考えると結果的に環境改善の取り組みが始まるというだけで、環境だけを目的にしているわけではないんだなって気づきました。

今回のSDGsを詳しく見ても、やはり大事なのは人権なのかなという気がします。

それって小難しい話なの?

「人権」なんて言っちゃうと、「あ、そういうのいいや~。小難しい話は面倒なんで」と思っちゃうかもしれませんけど、ちょーーっと待って!

確かにSDGsというのは国連の定めたもので、加盟各国は2015年から2030年までの間でこの17個の目標の達成のために頑張ります!って話なので、国レベルの政策のような気がしてきてしまいますが、じゃあ、頭脳明晰な人、権力や発言力のある人、お金をたくさん動かせる人しかSDGsに取り組めないのかっていうと、全然そんなことないんです。

電車で席を譲ることも、ペットボトルじゃなくて水筒を持ち歩くことも、近所のお祭りに参加することも、発展途上国にちょっとした寄附をすることも、無駄な食べ残しのないようにすることも、体に安全な商品やフェアトレードの商品を買うことも、そして、まず何よりSDGsという言葉を知ってちょっと意識を向けることだけで、皆さんも既にSDGsに取り組んでいるんです。

相手のことを思いやり、周囲の環境がこれからもずっといいものであるようにと思ってとった行動は、すべてSDGsの取り組みなんだと私は思います。むしろそういう個人の行動こそが、SDGsの実現に必要不可欠なんじゃないかと思います。

吉本興業の例

もちろん、自分の勤務先やお友達と一緒に活動しているサークルみたいなものでも、それなりの規模でいろいろSDGsに取り組んでいくことができます。

特に最近では企業の取り組みがすごく盛んみたいですよ。私がびっくりしたのは、吉本興業までSDGsに取り組んでいたことです。

ものづくり企業なら環境改善の面で取り組みやすいでしょうし、金融関係なら、SDGsに取り組む企業に投資するとか、途上国の安全や気象変動を保険の対象にするといったことで取り組めるのでしょうが、吉本興業がどうやって取り組めるのだろうって思いませんか。

でも、笑顔で人々に幸せをということで取り組んでおられました。詳しくはここを見てみていただきたいのですが、さすが、なかなか先見の明のある元気な会社です。

参照:持続可能な発展に向けた行動(吉本興業)

企業はSDGsに取り組むともうかるらしい

なぜ賢い企業のトップはSDGsに注目してどんどん取り入れようとしているのか

私は、基本的に企業も個人の集合体だからなんだろうと思っています。会社は、社員みんなが幸せに生き生き仕事をしていたら、間違いなく成長します。社員みんなが疲弊して夢も希望も持てずにいたら、もちろん衰退します。会社にとって、もちろんお客様は神様なのかもしれませんが、やはり社員が宝です。これはきれいごとでなく、実際に、私が今まで15年ほど速記士として仕事をしてきた中で、成功している企業のトップは必ずそういうことをおっしゃっていました。

トップが社員の幸せを考え、取引するすべての相手の幸せを考え、ひいては世界や日本の幸せを考え、その上で全社員が一緒になって今までやったことのなかった事業に果敢に取り組んでいくと、新たな市場が開けたりして自然にもうかってくるみたいです。

2016年のダボス会議で設置されたビジネスと持続可能な開発委員会(BSDC)の「より良きビジネス より良き世界(Better Business Better World)」という2017年のレポートの中では、SDGsのいくつかの分野に取り組むだけで、少なくとも年12兆ドルのビジネス機会をもたらし、3.8億人の雇用を生むという試算も出されています。

つい最近も、企業人の方から、SDGsの17の目標にはぼんやりと大きなことが書いてあるだけだけど、その下に169のターゲットというのがあるので、新しい企画を考えるときなど、それらのターゲットをじっと眺めていると、どんどんアイデアが浮かんでくるのだという話を聞きました。自分の企業でできることとリンクさせるのだそうです。

つまり、SDGsはボランティアや社会貢献活動なのか、心ある人たちの運動にすぎないのかというと、そんなことないんですね。ビジネスチャンスにもなりうるんです。

東海地区の企業のトップの皆さんが集まる会議でも、自分の会社でどう産業競争力強化に取り組んでいるかという説明で、SDGsの観点から取り組んでいるとおっしゃる方がたくさんおられました。そういう意味では、企業のトップの意識の高さはとても重要だと思います。

大企業・中小企業を問わず、多くの企業でスマート化に取り組む流れもあって、今はやりのAIビッグデータIoTと結びつけてSDGsを達成しようという動きも顕著になってきています。イノベーションでどんどん人間の生活を便利にしていくときにも、SDGsの考え方をもとに、人間の尊厳を守る方向で発展させていこうというわけです。

SDGsのムーブメントが企業の世界でも高まっている気配を何となく感じていただけたでしょうか。

東京オリンピックも!

加えて、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックでも、SDGsが大きなキーワードになっています。

前回のロンドン五輪が史上最高に持続可能なオリンピックだったわけですが、今回の東京五輪では、それをしのぐ取り組みがおこなわれようとしているんです!

テレビなんかの報道では、マスコットが決まったとか、暑さ対策とか、マラソンのコースがどうだとかいうニュースばかりで、「持続可能性」「SDGs」なんて聞いたことなかったから、そんなことになっているとは全然知らなかったんですが、実は本当に本気でそうらしいんですよ。

東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会のウェブサイトでも、よく見たら結構大きくうたわれていました。

参照:大会について>持続可能性

よくよく考えてみれば、不要な携帯を集めてメダルをつくるとか、燃料電池車で選手村と会場の行き来をするとかいうのもSDGs関連ですもんね。ふわっと思いついたところだけそうするんじゃなくて、全体的にそうするんだと宣言して取り組もうということになったみたいです。

オリンピックを運営していくときに、温暖化しないようCO2を削減しようとか、リユース・リサイクルで物を大事に使おうとか、環境生物多様性を守ろうとか、人種差別をしないぞとか、みんなで一緒に協力して取り組もうとか、いろんなことが考えられています。

今はまだ大きく報道されていませんし、オリンピックが実際に開催されても、もしかしたら多くの方が特にSDGsという言葉を意識することなく終わるのかもしれませんが、2030年までにがらっと今の世の中を変え、やさしさありきの社会をつくるんだという動きは東京オリンピック終了後もずっと続きます。

酷暑、ゲリラ豪雨、スーパー台風など、もはや災害並みと言われるような異常気象が続き、地震や噴火なども頻発し、政治も経済も社会もあやうい昨今、SDGsに真摯に取り組む人々が頑張っておられることは明るい光と感じられます。日本ですと、企業、地域コミュニティ、自治体、アカデミックといった世界には、こういう方々が結構見受けられるのですが、政治の世界で見たことがないのが痛恨の極みです。草の根からも地道に活動をしつつ、時にはトップダウンでいい政策を打ち出してくれたら、相乗効果でどんどんよくなるんじゃないかと思うんですけどね。

私も、微力ながら、毎日の生活の中で小さな選択の機会が来るたびに、持続可能性の高いほう、未来のみんなの幸せにつながるほうを選ぶ所存です! 自分の現世利益だけを考える人が跋扈する社会に明るい未来があるとは思えませんもんね。小さなことからこつこつと! 地道にSDGsに取り組みまっせー!

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