効率的かつ楽に文字起こしするために用意したい優れもの!七つ道具!!

こんにちは、コジです。

ICレコーダーで録音したはいいが、それを記録に起こすという段になって途方に暮れたことがある方、いらっしゃるかと思います。今日は、そんな方のために、文字起こしの際に用意すべきナイスな七つ道具を、より具体的にご紹介したいと思います。

必殺の七つ道具!?

1.フットスイッチ

まず、フットスイッチです!

これを使うことにより、再生、早送り、巻き戻しを足で操作できるようになります。予想以上に一気に効率がアップしますので、今後長く文字起こしをする予定なら、声を大にして購入をお勧めします。私が愛用しているのは写真の「Olympus RS27H」ですが、USBでパソコンに接続するだけであっという間に設定できて超便利!

2.打撃音の静かなキーボード

自分がキーボードを打つ音によって音声が聞こえなくなり、何度も聞き直さなければいけないのは結構な苦痛です。もし可能なら、できるだけ静かでスムーズに打てるキーボードを用意なさってください。

ちなみに、私は東プレの「REALFORCE R2S-JPV-IV」を使っていますが、かなり快適です。手首の負担も軽減されました。使用感は別記事に書いています。

関連記事:東プレのキーボード(R2S-JPV-IV)の優秀ぶりに驚愕

3.耳に優しいイヤホン

テープ起こしの際、耳や頭を圧迫するような密閉型の大きなヘッドホンや、耳に差し込むタイプの小さなイヤホンを使うと、頭痛の原因になることがあります。音楽などをよい音質で聞きたいなら本格的なヘッドホンのほうがいいのかもしれませんが、人の声を脳みそに直接響くような音で長時間聞くと耳に負担をかけますので、オープン型の軽いイヤホンを使ったほうがストレスが断然少ないと思います。


私が十数年の実務経験の中で最も気に入っているのが写真の「KOSS KSC75」です。オープンの耳かけ型で、音質も十分よいと思います。音漏れが結構あるんですが、音漏れしてもいいような環境でしたらぶっちぎりでお勧めです。KOSSの折りたたみ式のヘッドホンも試してみたんですが、軽量なのはよかったものの、私には頭の締めつけが強かったようで、長時間の作業は無理でした。

4.再生ソフト

ICレコーダーから音声をパソコンに取り込み、それを再生するときに使うソフトが必要です。ICレコーダーにソフトが附属していることもありますし、無料でダウンロードできるものもあります。たくさん出回っていますので、いろいろ試して好みの使用感のものを見つけていただくといいと思うのですが、このとき、ピッチを変えずに速度が変わる機能があると便利です。

私は主に「Olympus DSS Player」と「Okoshiyasu(Mojo氏提供)」を使っています。一つのソフトで聞こえなかったものも、別のソフトで聞いてみたら聞こえたりするので、幾つか用意しておかれるといいと思います。

5.用字の基準となるもの


原稿の表記の揺れを防ぐため、必ず手元に自分なりの基準となるものを置きましょう。私の場合、日本速記協会の「標準用字用例辞典」を基準としつつ、お客さんの希望によって用字を使い分けています。

6.快適なパソコン作業環境

あと、 何はなくとも体が資本です! パソコンを長時間使うような作業なら恐らく同じことが言えるんだろうと思いますが、文字起こしにおいても、目や耳の疲れ、頭痛や腰痛や肩こりが集中力を途切れさせますので、作業環境を整え、体への負担をなるべく軽くしましょう。詳細は別記事を御参照ください。

関連記事: 快適なパソコンの作業環境をつくろう!デスク周りの改善法

7.よい音声データ

最後に、そもそも音声データの録音状態が悪いということが、文字起こし作業を最も苦しくさせる原因となります。どんなにいい作業環境をつくろうとも、どんなにいい道具を使おうとも、音源が悪ければ、何度も聞き直して時間ばかりかかる割にはいい原稿が仕上がらず、本当に骨折り損になってしまいます。

ですから、もし自分が録音にも携われる立場なら、まずは録音する時点でベストを尽くしてください!これについては別記事に詳しく書いています。

関連記事:

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音声認識による自動テキスト化は?

さて、ここまで地道に自力で文字起こしをするためのお話をしてきましたが、今はもうアップルやグーグルでも音声認識がすごくよくなってきてるんだから、そのテキスト化も簡単にできるんじゃないの?と思っておられる方も多いかと思います。

この件ついて私の理解の範囲で少しコメントしておきますと、確かに最近では音声認識の技術が大変向上してきてはいるものの、今の段階では、かなりよい音源でない限り、まだ1文字1文字こつこつ地道に積み上げるのが一番手っ取り早いのかなぁ~という感じかと思います。

ちなみに、日本の国会においては議事録作成のための速記士養成を既にやめており、衆議院では2011年から自動音声認識を使った新しいシステムを導入していますが、作業をしている衆議院のスタッフから聞いた話によると、音声認識システムによってつくられた初稿には10%程度の誤りがあり、修正してきちんとした原稿にするまでにかかる時間は、手で速記を書いてタイプするのにかかる時間とほぼ同じとのことでした。

音声認識システムが全く使えないということはないし、実際タイプをする時間自体は削れるけれども、今のところ、修正にはある程度の時間がかかり、単語の確認作業なども、当然ながら以前と同じように必要ということでした。

もちろん目覚しい技術の進化によって音声認識の精度も今後どんどん向上するに違いないのですが、発話者が確実にマイクを使って話したきれいな音源を録音でき、今までの膨大な議事録ストックの学習により内容もある程度推測できるであろう衆議院の議事録でそういった状況ということは、素人が好き勝手に話し、ICレコーダーを転がしておくだけといった音源からの自動音声認識テキスト化には、いましばらく時間が必要であろうと思われます。

また、たとえ技術が飛躍的に向上したとしても、最終的にはどっちみち人間が音声を聞いて修正しないといけないわけですから、上で述べたように音を快適に聞ける環境を整えておくことは決して無駄にはなりません。AIなどを使って用語や文法を学習させたとしても、最終的に読んで意味がすっとわかる自然な文章にする作業は、やはりまだしばらく人間がやらなければならないんだろうと思います。

もうしばらくこの作業は続きそうですので、この記事が少しでもあなたの作業を楽にするヒントになれば幸いです。

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