中部大学民族資料博物館の企画展「河本礫亭・五郎とシルクロード」に滑り込み!

明けましておめでとうございまーす

コジです。ビバ2018年! 今年もよろしくお願いします。

年末年始は一生懸命仕事に精を出しておりましたが、ほっと一息。次の繁忙期までに我が固まった脳みそを溶かすべく、密かに美術館へ行く計画を練っていた最中、仕事で伺った中部大学で思いがけない情報を聞くことができました。

中部大学民族資料博物館

何と、陶磁器の展覧会を学内の民族資料博物館で明日まで開催しているとのこと。閉館は4時30分とお聞きして急いで時計を見ると、4時少し前!!

い、い、行けるんでない? というわけで、打ち合わせ終了後にソッコーで向かいました。

民族資料博物館というのは中部大学の図書館の2階にありまして、一見さんの私なんぞでも非常に入りやすい雰囲気。

何せ時間がなかったので企画展のゾーンしか見られませんでしたが、奥には当時ながら民族資料が展示されていたことと思います。次回はもう少し時間に余裕を持って行かなければ!

シルクロードをはるばると

さて、企画展のゾーンに入ると、陶芸家の加藤幸兵衛さんが講演をされている映像が流れる中、河本礫亭さんと、その養子である河本五郎さんの作品が展示されていました。

私、何を隠そう、染付が大好きなんです。うちの食器も大部分が染付です。白っぽい生地にコバルトブルーの柄というスタイルが、見なれていてホッとするとともに、この展覧会のタイトルにあるシルクロードを感じさせてもくれます。

ちなみに、例えば、これは私物ですが、アジアのお土産でもらった醤油差し的なもの。国はどこだったかなぁ。うっすらタイとかベトナムだったような記憶が。。。単なるお土産品だろうと思うのですが、なぜか妙に気に入って飾っています。

そして、一緒に飾っているのがこれ。これは地元の草の頭窯の醤油差しです。青山禮三さんは昨年亡くなってしまわれましたが、息子の青山双溪さんの染付はこれからも要チェック! ほかにもいろいろなタイプのものをつくられますが、私はやっぱり染付が好きなんですよねー。

会場は、加藤幸兵衛さんの講演が流れていたおかげで、よりシルクロード感が増していました。何なんでしょうね。お人柄でしょうか。トランプさんが日本に来ると「アメリカが来た!」みたいな感じがしますが、加藤幸兵衛さんも何かを背負っておられる人なんだなと思います。この映像も時間切れですべて見ることができず、残念無念。

祥瑞(しょんずい)とは

さて、この展覧会では、個人的に目からウロコが落ちる発見をしました。「今さら? あんた、本当に染付が好きなんかーい!」って感じの気づきなのですが、まあお許しください。

皆さん、祥瑞(しょんずい)って知っていますか?

うちの食器のうち、「しょんずい」と呼ばれている染付があるんです。野菜炒めや麻婆豆腐のときにこの「しょんずい」君が登場するわけですが、その言葉の漢字と意味を、恥ずかしながら今回初めて知りました。

ちなみに、うちの「しょんずい」がこれ↓です。

「しょんずい」とは、「祥瑞」と書き、「中国明代末、景徳鎮で焼かれた染付で、吉祥の意味を持つ絵柄を連続して組み合わせた模様で器の表面を埋め尽くしたもの」だったんですー!

つまり、どうやら一番最初のチラシの真ん中の鉢のような柄が本来の祥瑞模様らしい。

がーん。うちのはちょっと違う様子。。。どうやら、一応松竹梅が中央にあるので、吉祥柄ということで、通称「しょんずい」になったものと思われます。もしくは、祥瑞模様ではないけど、祥瑞風というか、祥瑞手というか、そんな感じで呼んだんでしょうね。

いずれにせよ、真実が判明してスッキリしました。もちろん今後もこの器はうちでは「しょんずい」と呼んで大事に使う所存です。

いい職人はイイ!

展示品をじっくり眺めると、どれもこれも緊張感あふれるすごい作品で息をのんだわけですが、この河本礫亭という名前は初めて聞きました。

資料を読むと、1894年、瀬戸のお生まれで、1975年に80歳で死去。愛知県無形文化財「染付磁器」保持者に認定されており、瀬戸焼の研究・普及啓発に非常に尽力されたとのこと。

目の前の作品を見るたけで、素人目にもいい仕事をされる方だったんだろうなと思いました。美術品として鑑賞されるような大きなものだけでなく、使われてどんどん味が出てくる食器やお茶道具にも手抜きなしというような感じがビシバシ伝わってきます。こういう職人気質の人って大好き!

この方がとりわけそうなのかもしれませんが、昔の職人さんってなぜスキルが高かったんでしょうね。環境的な要因で、今より娯楽が少なかったから仕事により集中できたとか、とにかく人が多かったから自分を認めてもらうために人一倍努力する必要があったとか、そんな理由なんでしょうか。

それとも、それは私の勘違いで、単にそういう人の作品が多く残っているだけなのかなぁ。でも、今の職人ではなかなかできないようなことを、昔は割と普通にやっていたみたいな話を結構聞きますし、個人的な感覚としては、相対的に昔のほうが研究熱心で向上心の強い人の確率が今より高かったんじゃないかという気がしてしまいます。

とはいえ、昨今の芸術の世界を見ても超絶技巧を繰り出す日本人の作家さんはおられますので、人間としての能力が退化しているとは思えませんが、愚直に根気よく繰り返すための時間とか、たくさんの人と切磋琢磨して技を磨く環境とかは少なくなっているのかもしれないなと思います。

実はうちのかつての家業が陶器の上絵付け業で、父も祖父も職人だったんですが、量産品の絵付けとはいえ、妥協なしの仕事きっちり感にはハンパないものがあり、そういうところは格好いいなぁと思ったものです。道具を大切に、仕事場は毎日掃除し、曲がったこと雑なことは絶対にしない、私もそういう職人でありたいといつも思います。

何はさておき、染付よかったなぁ。新年早々、いい感じ!!

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数日後、勢いに乗って染付の展覧会を見に行ってきました~。

しかも、これも会期最終日の滑り込みで!!

愛知県陶磁美術館「染付:青絵の世界展」がズバリよかった!!

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