こんにちは、コジです。清須市はるひ美術館で開催中の「イラストレーター安西水丸 -漂う水平線(ホリゾン)-」展に行ってきました。
何を隠そう、私、安西水丸さんの大ファンでして、やっとじっくりまとまった展覧会を見る機会がめぐってキター!と、喜び勇んで友人を誘って清須市へ乗り込みました。
名古屋駅から清須市はるひ美術館へのアクセス
まずは美術館についてのちょっとした情報と、アクセス方法について。
私も今回初めて行ったのですが、この美術館は、1999年、愛知県の旧春日町に「はるひ美術館」という名でオープンし、清須市に合併した後に、現在の「清須市はるひ美術館」になったのだそうです。
小ぢんまりしたコンクリート打ちっぱなしの建物で、弓なりになった形状とガラス張りの2階フロアが特徴的でした。
名古屋駅から公共交通機関で向かう場合、まずJR東海道線(岐阜方面行き)で清洲駅へ行きます。普通列車で2駅分、8分程度で着きました。
そこからは徒歩20分なのですが、軟弱な私たちはコミュニティバス「きよすあしがるバス」を使いました。
2017年8月現在、とるべきチョイスは一択!
清洲駅11:42発の便に乗ってください。20分程度で目的地に着けます。
よさそうな時間はこれしかありません。しかも、いつも駅にタクシーがいるとは限りませんから、いざとなったら歩くしかないという感じです。
気をつけていただきたいのは、バス乗り場です。私たちは運よく見つけることができたのですが、駅に目立つ案内は何もありません。どこかにあったのかもしれませんが、最初は全然乗り場がわかりませんでした。
むしろ、「はるひ美術館へ行く人は駅を出たら左方向へ進め」みたいな看板があり、うっかり間違えそうになりました。これは徒歩で行く人用の看板だったようです。
では、清洲駅からバス乗り場への道順を解説しましょう。
駅の改札は一つです。この改札から外へ出ましたら、その向きのまま真っ直ぐ前方に進みます。(ここで左へ行かないように気をつけて!)
そうすると、道の右側に自転車置き場がありまして、そのフェンスのところに「あしがるバス」の時刻表が書いてある看板がくくりつけてあります。ここがバス停です!
迷って探したりしなければ、駅を出て3分もあれば乗り場に着けると思います。バス停の周りにベンチや屋根的なものは何もありませんので、天気によっては少し駅で時間調整が必要かも。
以上のように、バスに乗るにはちょっとした注意が必要なんですが、この「きよすあしがるバス」、試してみる価値ありです。その名のとおり、かなりの「足軽」ぶりで、そのあまりの小回りを利かせたルート選択とドライビングに感動してしまいました。
どこまで行っても1回100円です。乗ったときに降りる場所を運転手さんに伝えると、そこでとまっておろしてくれます。運転手さんは大変親切でした。
ちなみに、帰りも同じバスを使う場合、美術館を13:41発か16:43発の二択です。私たちは前者に乗り、2時には清洲駅に着くことができました。バス停の名前は「夢広場はるひ」で、着いたところと場所が少しずれています。帰りのバス停は、美術館に沿った道沿いにありました。
さて、目的地の清須市はるひ美術館に着いたら、チケットを購入し、展示室に入ります。
「漂う水平線(ホリゾン)」の意味
展示室に入ると、すぐに「漂う水平線」というサブタイトルの意味がわかりました。
スーッと横に1本、画面の中ほどに線が入っているんです。
テーブルと空間の境界線、海と空の境界線、陸と空の境界線。
安西さんはこれを「ホリゾン=水平線」と呼び、「紙にホリゾンを引くとき、なぜかいつも千倉の海の水平線が目に浮かぶ」と語ったそうです。
彼は東京生まれですが、重い喘息のため3歳のころ母の郷里の千葉県の千倉町に移住し、しばらくそこで過ごしているんですね。
この展示では彼の幼少期から亡くなるまでの軌跡を丹念にたどっているんですが、子供のころの記憶が常に作品の後ろにゆらゆらと見え隠れしている感じがしました。
小さいころの環境が後の人生に決定的な意味を持つのだなと思いつつこの展示を見ていて、以前ブログにも書いた豊田市美術館で開催中の「奈良美智展」のことを思い出しました。
ただし、同様に幼少期からの軌跡をたどる展覧会でも、本人が展示を担当するのと、そうでないのとではこれほどまでに違うんだなという気はしました。
どちらの展覧会も、作家の大切にしてきた持ち物や、その思想や傾向に影響を与えたであろう事物を紹介しているんですが、当然ながらどことなく作家との距離感が違うんですね。
奈良さんのほうは親しみを感じ、安西さんのほうは少しよそよそしい感じがしました。
ダイレクトに作家の体温が伝わってくるような巡回なしで1回こっきりの展覧会と、作家以外の人が構成し、巡回ごとに学芸員が展示方法を考えた展覧会では、そもそも伝えようとするものが違ってくるのでしょう。
とはいえ、多岐にわたる作品を網羅した展示は見ごたえがあり、大満足で、見に来てよかったなと思いました。
知っているものもあれば知らないものもあって、「えっ、こんなこともしてみえたんだ!」という驚きもありました。
特に本や漫画をこれほどたくさん書いておられたとは知りませんでしたので、これから少しずつそちらも読んでみようと思っています。
2014年春に突然亡くなられた安西さんのご冥福をお祈りするとともに、もう安西さんの新しいイラストを見ることができないのを本当に残念に思います。