こんにちは、コジです。コロナを機に考えていることの続編です。
[前記事:改めて、ウイルスとは何ぞや]
ここ一年ほどCOVID-19が流行し、恐らく今年もずっとその影がつきまといそうな情勢ですが、今日は、何でこんなに世界中で同じ病気が流行るのか、流行っちゃってからどう収束するのかというお話です。
今回も、石弘之氏『感染症の世界史』を参考にしています。
過去100年を振り返る
ここ100年ほどを振り返りますと、100万人以上の方が亡くなる病気が5種類ほど出現しているんだそうです。(主にインフルエンザ)
今回のCOVID-19は、現時点(2020年1月半ば)で全世界の死者が200万人を超えたそうですから、6種類目のパンデミックということになりますね。
スペイン風邪では1億人以上の人が亡くなったとされ、死者が多過ぎて戦う成人男性がいなくなり、第一次世界大戦の終結が早まったと言われています。(すごいこと!)
いずれにせよ100年で5回ということは、単純計算で大体20年に1回ぐらいですから、災害と同様に「忘れたころにやってくる」ということなんでしょうね。
パンデミックの原因は?
じゃあ、なぜパンデミックが起こってしまうのでしょうか。
政府の政策を見てみると、「密を避ける」ことと「移動を控える」ことに主眼が置かれていると思われませんか?
実はまさにこれが感染拡大の原因なんですね。賢い人々が政策を考えておられるので、さすが基本に忠実です。
つまり、感染症が爆発的に広がった原因は、大きくこの2つなんです。
1.「密」な状況
(集まって定住する宿主だらけの環境に、ウイルスさんは大喜び♪)
2.交通機関の発達
(新たな宿主どっさりの場所に遠くまで素早く移動できるので、ウイルスさんは大喜び♪)
ただ、仮に広がったとしても、毒性が弱ければ問題ないですよね。無症状か、悪くても風邪ぐらいで済めば、それほど人間にとって脅威ではありません。
じゃあ、今回なぜ死に至るようなウイルスが蔓延してしまったのでしょうか。毒性の強いウイルスになぜ感染してしまったのでしょうか。
これは私の想像ですが、人間がどんどん増え、資源を求めて森を切り開いたり、本来食べなかったものまで食べたりしたので、野生動物を宿主にしていたウイルスさんたちに見つかっちゃったということなんじゃないかと思います。熱帯の野生動物を宿主にしていたウイルスとかって、強そうじゃありませんか?(私のイメージだけかもしれませんが)
少なくとも、野生動物を宿主にしていたウイルスは、人間がどういう生き物なのか全然知らずに乗り込んできていますから、うっかりたくさん殺してしまって、このままではまずい!と今必死で調整しているところなんじゃないでしょうか。
前回記事でも書きましたが、ウイルスの目的は自己増殖ですから、なるべく長く宿主と共存できるように、これからどんどん変異して進化を繰り返し、感染力を上げるとともに弱毒化していくものと思います。とはいえ、下手に攻撃したりすると、変異の方向が変わって強毒化する可能性もあるのかもしれませんが。
ともあれ、宿主を殺してしまうような強いウイルスが出現した理由は
ズバリ、人間が増え過ぎたから! そして人間が貪欲だから! みたいです。
でもさ、だったら人間を減らしましょう✨ってな政策はとれませんもんね。そう考えると、今後も、忘れたころに強い毒性のウイルスが出てくるんじゃないかという気がします。
収束の道筋は?
先のことはともあれ、ひとまず今回のCOVID-19を収束させないといけません。
感染症との戦いってどうやって終わるのかなと考えますと、
1.宿主が勝つ(薬やワクチンで人間がウイルスを抑え込む)
2.宿主が負ける(ウイルスによって人間が全滅する)
3.和平条約を結ぶ(ウイルスが弱毒化して共存する)
4.冷戦状態になる(ウイルスが姿を変えながら土俵をかえて戦い続ける)
の大きく4種類ぐらいの道がありそうです。
どの国も、どの人も、この4つの道のどれかをくっきり選ぶことはなく、いろんなフェーズを経ながら落ち着くところに落ち着く感じなのかなという気がします。
日本国民はどういう感じになりそうに思いますか? 私の想像ではこんなイメージです。
昨年は未知の病気に対して神経質に対応していたけど、緊急事態宣言も二度目になって板につき、多くの人が自分なりの判断で行動する。
~ ワクチンを打ちたい人は、きちんと順番に打ってもらって納得する。
~ 多くの人が感染しても無症状か軽症で治り、重症になる人が時々いるものの、そのうち集団免疫が獲得される。
~ よさげな薬が開発され、もしかかっても治る可能性が高くなる。
~ 政府が経済活動に力を入れ始め、収束したっぽい空気を出す。
→ YES! 収束!!
こんなことが混然一体となって2年ぐらいかけて進んでいくんじゃないかと思っています。(素人の勝手な個人的予想です)
21世紀はコロナの時代?
20世紀初めのスペイン風邪は、インフルエンザの一種でした。その後もインフルエンザが人類の大きな脅威であり続けたんですが、ここしばらくは主に冬に流行する季節性のものになってきていました。
ここへ来て新しく台頭してきたのがコロナウイルスです。多くが動物に病気を起こすものですが、今のところ、そのうち7種が人間に病気を引き起こしています。
7種のうち4種は風邪の症状で、軽度の上気道疾患なんだそうです。日本でも小さい子がよくかかっていて、普通の風邪程度で済むので、コロナとわからないままに過ぎ去ることが多いとのこと。
問題は残りの3種です。一つは2002年に流行したSARS、もう一つは2012年に流行したMERS、そして2020年、今回の新型の3つで、これらは重症になります。SARSとMERSは幸い今回ほど感染拡大しませんでしたが、症状が非常に厳しかった印象があります。
過去100年は20年に一度パンデミックが起きていますが、コロナは大体10年に一度、注意すべきものが出現していますね。
20世紀がインフルエンザの時代だったとすると、どうやら21世紀はコロナの時代になりそうです。台湾はSARSのときの教訓を生かして今回うまく対応したと聞きましたが、日本も今後、今回の教訓を忘れず、いざというときパッと適切な対策がとれるようにしたいものですね。