議事録作成のためのICレコーダー設置[ベストポジションの探り方]

こんにちは、発言記録作成をなりわいとしているコジです。

もしかしたら、この記事を読んでいる皆さんの中には、会議の議事録をつくるためにICレコーダーで録音しようとしたものの、自分の手元で録音したら全然聞こえず、えらく手間がかかったというような経験を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

自分では手に負えないから業者に頼んだものの、せっかく安くもない料金を支払ったのに、聴取不能で穴だらけの原稿しかできてこなかったなんてことになったら、まさに泣きっ面に蜂です。

そこで、今日はICレコーダーを設置するベストポジションの探り方についてお話をしてみたいと思います。

ICレコーダーで録音する際の大前提

まず、大前提として、「ICレコーダーは二つ以上置くべしということを声を大にして強調したいと思います。

できれば違う型番のICレコーダーだとよりナイスです。というのも、レコーダーによってそれぞれ癖がありますので、拾う音が微妙に変わってくるからです。ちなみに私は、すべて違う型番で、時と場合によって6本のICレコーダーを使い分けています。

細かいことはさておき、とにかく最低でも2個は録音状態にするようにしておりまして、中でも自分の耳と相性がよく、完全に信頼できるICを最も重要な場所に置いているわけです。

事前の会場チェック

では、「最も重要な位置」とは、どういう位置なのでしょうか。これは、一口で言うなら、「より重要な発言がよりクリアに録音できる位置」です。

これを知るためには、事前の会場チェックが欠かせません。実際に会場へ行き、以下のことを確認しましょう。会場の各形式によって、どんな位置に最低2個のICレコーダーを置いていくのか、また、ほかにどんなことに注意しなければいけないのか、解説していきます。

机の並べ方はどういう形式か

「ロ」の字形式

長机を「ロ」の字型に配置。各参加者が定位置に座ったまま話すパターンが多い。全体的に録音する必要あり。委員長・座長の席の近くにメインを1個、その対面にもう1個置きたい

「コ」の字形式

上の「ロ」の字から一辺を抜いた配置。あいた一辺にスクリーンやホワイトボードを設置し、そこへ発表者が来て話すパターンが多い。発表者の演台にメインを1個、その対面にもう1個置きたい

教室形式

前に演壇があり、そこに向かって机と椅子を配置。主に演壇で発言し、フロアから質問などがあるパターンが多い。演壇にメインを1個、自分の手元に1個置きたい

劇場形式

上の教室形式から机を抜いた配置。これも演壇で発言し、フロアから質問という形だが、より出席者が多いと思われる。演壇にメインを1個、自分の手元に1個置きたい。メモを取りたいので、可能なら自分用に小机を用意できるとよい。

島形式

小さな複数のグループに分かれている配置。総合説明の演壇がある場合はその位置に1個と、あとは各島に1個ずつ置きたい

対面形式

二つのグループが机を挟んで対面する配置。机の長さにもよるが、両端に1個ずつ。もしくは、発言する人が決まっているなら、その人の近くに1個と、逆の端に1個置きたい

座談会インタビューなど、極端に参加者が少ない場合は、お客様の立場の方へ向けて1個でもよさそうだが、念のため手元にも1個

出席者の特徴と座席の位置

座長・委員長、委員、事務局(司会者、メインの説明者)など、よく発言する人物や、間違いなく発言を承らなければいけない人物の近くに置くよう調整する。

特に、声が聞き取りにくいとか、すごく早口とか、語尾があいまいとかいう事前情報があれば、さりげなくその人の近くに設置しておくとよい。

逆に、花粉の時期には必ず大きな声でくしゃみをするとか、ペンで机をたたく癖があるとか、私語が激しいとかいうことなら、その音を大きく拾ってしまわないよう注意する。

会場の環境に注意

空調の音扉の開閉音をもろに拾ってしまうような位置にならないよう注意。

また、資料が大きく、机の幅が狭い場合、めくった紙がICレコーダーの上に乗ってしまって全く音を拾わなくなることがあるので、そういうときには資料を広げそうな位置は避ける。

隣の部屋の使用状況窓の外の騒音なども、場合によっては注意しておく。

マイクの反響ぐあい

特に劇場形式や教室形式の場合、部屋のつくりによってはマイクの音が反響して何を言っているのか全く意味がわからないときがあるので、生の声も拾えるように、なるべく発言者の近くに置く。

マイクを使う場合、会場の機材にLINE OUT端子イヤホンジャックがあれば、オーディオケーブルでICのマイク端子につないでマイクの音を直接録音できることがあるので、それができればベスト。ぜひまずこの点を確認していただきたい。

最後に

当然ながら、会場によってベストポジションはそれぞれ違うので、同じ会場で定期的に行われるものならば、何度か試して最もよい位置を探っていただければと思います。何本かICがあるようでしたら、最初のときに何カ所かに置いてみて、ベストな位置が確定したら次回から絞ってもいいかもしれません。

長年の発言記録作成の経験から言えることとして、とにかく、どんなに偉い人の前でも躊躇せずにICレコーダーを置くことが重要だと思います。「失礼します。議事録作成のため、録音機材を置かせていただきます」と言えば、大抵の人は設置を許可してくれます。それが、後の作業効率アップにも、またよい記録づくりにもつながっていきます。

もし後から業者にテープ起こしを頼む場合でも、二つ音声データを渡せば、大抵二つとも聞いて確認してくれます(少なくとも私は常にそうしてきました)。

さらに、会議中に進行メモをきちんと書いておき、それを会議資料などと一緒に渡せば、発言者や微妙な修正まで反映されたいい記録が素早く仕上がってくると思います。これにより、後の確認作業が断然楽になりますし、手間が省けて、かえって時間の節約になります

会議の議事録作成に当たって確認しておくとよい事項については、以下の関連記事をご参照ください。

ICレコーダーの録音から自力で議事録を作成するコツ

しつこいようですが、必ずICレコーダーは2個以上置いてください。これだけで随分リスクが低下します。1個ですと不測の事態に対応できず、取り返しのつかないことになるんですね。実は私も随分痛い目に遭ってきました。たまたま電池がなくなったとか、誰かの手が当たってストップボタンが押されたとか、書類をめくったときに机から落ちたとか、不可抗力でうまく録音できていない場合が意外にあるんです。

また、ICレコーダーのマイク機能がいま一つですと、せっかく録音しても後で聞きづらい場合があります。そんなときには、外づけマイクをつけてみるというのも一案です。

ICレコーダーの不明瞭な音声に困ったとき、外づけマイクが優秀です!

いろいろ細々と申し上げてきましたが、以上のようなことに注意していただけば、録音はばっちりです。皆さんの機材を有効に使ってうまく録音し、よい記録をスムーズに作成しちゃってくださいね~。

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